2018年 01月 08日 ( 1 )

「赤毛のアン」の島6 モンゴメリが眠る墓地と遺族の決断


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小雨や曇りの日が続いたプリンスエドワード島(Prince Edward Island: 以下PEI島)滞在3日目、

空は抜けるような青でした。夫が言います。

「PEI島は広いから見てない所が一杯あるよ。島の観光に行こうよ。」

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(私達のロッジの庭にやって来たキツネ)




実は私は別のことを考えていたのですが、

前日はアンの家とモンゴメリ住居跡で4時間半も過ごして、夫に十分付き合ってもらったので、

今度は彼のしたいことをする順番だと思い、夫が行きたい所へ観光に行くことにしました。



島の南にあるアケイディア(フランス系移民)の多く集まった村や、名前を忘れた可愛いレストラン、

PEI島独特の赤い道がどこまでも続いている草原など、

島の美しさを目の当たりにして、憧れのPEI島にいるんだと実感しました。




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(アンとマシューを乗せた馬車が今にも見えてきそうなPEI島の赤い道)


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モンゴメリが「プリンスエドワード島は世界で一番美しい場所」と形容した通り、

何処も彼処も本当に美しい所でした。



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PEI島はシーフードが美味しいと聞いていたのですが、

中でもロブスターとムール貝は信じられないほど安くて美味しいです。

いきなり現実的な話で申し訳ないですが、ロブスターは1Kgが約500円程、ムール貝はさらに安かったです。

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ロッジ近くのビーチでもムール貝がゴロゴロあって、踏まずに歩くのが難しいほどでした。

私達は地元の人が行くスーパーで野菜やシーフードを買って、

2日目の夜からレストランへ行かないで、自炊しました。

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夫と一緒に観光や夕焼けのディナーを楽しむ一方で、

私の心に沸々ともたげて来るものがありました。



「モンゴメリの墓地にお参りして、冥福を祈りたい…」

だけど、PEI島に一緒に来てくれて、もう十分付き合ってくれた夫を

これ以上引っ張りまわすのは悪い気がしたので、そのことを口に出せずにいたのです。

「彼はそこまではしたくないだろうな…。」

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そのまま3日目が過ぎ、4日目…翌日はPEI島を離れるという日の午後、

観光を終えロッジに帰る途中で、給油するためにガソリンスタンドに立ち寄りました。

夫がガソリンを入れている間、何気なく外を眺めていると、通りの向こうに村の墓地が見えました。



ゲートに書いてある文字を読んでみると、こう書いてあったのです。

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「L・ M・モンゴメリが眠る場所」

「嘘でしょう~!?」あまりの偶然に鳥肌が立ちました。



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ゲートから少し離れた場所に、ゼラニウムとアリッサムで飾られた一角があったので近づいてみると、

「ユーアン・マクドナルド」と書いてある墓石に、小さくモンゴメリの名前も見えました。



モンゴメリの夫ユーアンは妻が亡くなった1年後に亡くなりました。

モンゴメリが愛したPEI島のキャベンディッシュ(「赤毛のアン」の中ではアヴォンリー)の墓地で、

二人は静かに眠っています。




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私達がPEI島を旅したのは2013年9月3日~7日、今から4年4か月前のことです。

この旅行記を書く前に、「赤毛のアンの島」5でジェニーさんから聞いた話の裏付けを得るために、

モンゴメリの孫娘ケイトさん(Kate Macdonald Butler)が2008年9月に発表したエッセイを読んでみました。



ケイトさんは、モンゴメリが亡くなった時に駆けつけた三男スチュアート(医師)の娘さんです。

彼女自身はモンゴメリが亡くなった後に生まれたので、面識はないそうですが、

大人になって、父親から祖母モンゴメリの自死に関する話を聞いたそうです。



そのことは長い間家族だけの秘密だったそうですが、

モンゴメリを助けられなかったことで、長い間苦しんできた遺族の方々は、

2008年「赤毛のアン」出版100周年を迎えて、彼女の本当の死因を世間に公表する決断をしました。



決断に至った理由は、

「心を病むのは特殊な人々ではなく、誰にもその可能性がある。

世界的名作を生んだ人気作家であっても例外ではないのだ。」と、

多くの人が知ることによって、心の病に対する偏見が少なくなり、

病に苦しむ人達が助けを求められやすい社会になるのではないか?と考えたからだそうです。



モンゴメリが自分一人で苦悩を抱え込まないで、誰かに助けを求められることが出来ていたら…

或いは心労が酷くなる前に、愛するプリンスエドワード島に帰って来ることが出来ていたら…
(当時住んでいたのは、カナダのトロント市)

彼女は悲惨な最期を迎えずに済んだかもしれません。



モンゴメリは「世界中に夢と希望を与えることができても、自分自身は不幸だった作家」と言われていますが、

彼女が偉大な作家だったという事実に変わりはないし、

私にとっては、今までもこれからも憧れ続ける、永遠に素晴らしい女性です。




「赤毛のアンの島」これで終わりです。


*4回に分けて書こうと思った旅日記ですが、

書き始めると、聞いた話やエピソードが一杯あって6回に膨れ上がってしまいました。

長い旅行記を読んで下さって、本当にありがとうございました!



それでは皆様、幸せな一日をお過ごし下さいね!


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ありがとうございます。


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by mimozacottage | 2018-01-08 08:14 | 赤毛のアン | Comments(12)