カテゴリ:赤毛のアン( 6 )

「赤毛のアン」の島6 モンゴメリが眠る墓地と遺族の決断


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小雨や曇りの日が続いたプリンスエドワード島(Prince Edward Island: 以下PEI島)滞在3日目、

空は抜けるような青でした。夫が言います。

「PEI島は広いから見てない所が一杯あるよ。島の観光に行こうよ。」

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(私達のロッジの庭にやって来たキツネ)




実は私は別のことを考えていたのですが、

前日はアンの家とモンゴメリ住居跡で4時間半も過ごして、夫に十分付き合ってもらったので、

今度は彼のしたいことをする順番だと思い、夫が行きたい所へ観光に行くことにしました。



島の南にあるアケイディア(フランス系移民)の多く集まった村や、名前を忘れた可愛いレストラン、

PEI島独特の赤い道がどこまでも続いている草原など、

島の美しさを目の当たりにして、憧れのPEI島にいるんだと実感しました。




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(アンとマシューを乗せた馬車が今にも見えてきそうなPEI島の赤い道)


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モンゴメリが「プリンスエドワード島は世界で一番美しい場所」と形容した通り、

何処も彼処も本当に美しい所でした。



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PEI島はシーフードが美味しいと聞いていたのですが、

中でもロブスターとムール貝は信じられないほど安くて美味しいです。

いきなり現実的な話で申し訳ないですが、ロブスターは1Kgが約500円程、ムール貝はさらに安かったです。

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ロッジ近くのビーチでもムール貝がゴロゴロあって、踏まずに歩くのが難しいほどでした。

私達は地元の人が行くスーパーで野菜やシーフードを買って、

2日目の夜からレストランへ行かないで、自炊しました。

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夫と一緒に観光や夕焼けのディナーを楽しむ一方で、

私の心に沸々ともたげて来るものがありました。



「モンゴメリの墓地にお参りして、冥福を祈りたい…」

だけど、PEI島に一緒に来てくれて、もう十分付き合ってくれた夫を

これ以上引っ張りまわすのは悪い気がしたので、そのことを口に出せずにいたのです。

「彼はそこまではしたくないだろうな…。」

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そのまま3日目が過ぎ、4日目…翌日はPEI島を離れるという日の午後、

観光を終えロッジに帰る途中で、給油するためにガソリンスタンドに立ち寄りました。

夫がガソリンを入れている間、何気なく外を眺めていると、通りの向こうに村の墓地が見えました。



ゲートに書いてある文字を読んでみると、こう書いてあったのです。

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「L・ M・モンゴメリが眠る場所」

「嘘でしょう~!?」あまりの偶然に鳥肌が立ちました。



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ゲートから少し離れた場所に、ゼラニウムとアリッサムで飾られた一角があったので近づいてみると、

「ユーアン・マクドナルド」と書いてある墓石に、小さくモンゴメリの名前も見えました。



モンゴメリの夫ユーアンは妻が亡くなった1年後に亡くなりました。

モンゴメリが愛したPEI島のキャベンディッシュ(「赤毛のアン」の中ではアヴォンリー)の墓地で、

二人は静かに眠っています。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆☆☆☆☆・・・・・・・・・・・・・・・・・・




私達がPEI島を旅したのは2013年9月3日~7日、今から4年4か月前のことです。

この旅行記を書く前に、「赤毛のアンの島」5でジェニーさんから聞いた話の裏付けを得るために、

モンゴメリの孫娘ケイトさん(Kate Macdonald Butler)が2008年9月に発表したエッセイを読んでみました。



ケイトさんは、モンゴメリが亡くなった時に駆けつけた三男スチュアート(医師)の娘さんです。

彼女自身はモンゴメリが亡くなった後に生まれたので、面識はないそうですが、

大人になって、父親から祖母モンゴメリの自死に関する話を聞いたそうです。



そのことは長い間家族だけの秘密だったそうですが、

モンゴメリを助けられなかったことで、長い間苦しんできた遺族の方々は、

2008年「赤毛のアン」出版100周年を迎えて、彼女の本当の死因を世間に公表する決断をしました。



決断に至った理由は、

「心を病むのは特殊な人々ではなく、誰にもその可能性がある。

世界的名作を生んだ人気作家であっても例外ではないのだ。」と、

多くの人が知ることによって、心の病に対する偏見が少なくなり、

病に苦しむ人達が助けを求められやすい社会になるのではないか?と考えたからだそうです。



モンゴメリが自分一人で苦悩を抱え込まないで、誰かに助けを求められることが出来ていたら…

或いは心労が酷くなる前に、愛するプリンスエドワード島に帰って来ることが出来ていたら…
(当時住んでいたのは、カナダのトロント市)

彼女は悲惨な最期を迎えずに済んだかもしれません。



モンゴメリは「世界中に夢と希望を与えることができても、自分自身は不幸だった作家」と言われていますが、

彼女が偉大な作家だったという事実に変わりはないし、

私にとっては、今までもこれからも憧れ続ける、永遠に素晴らしい女性です。




「赤毛のアンの島」これで終わりです。


*4回に分けて書こうと思った旅日記ですが、

書き始めると、聞いた話やエピソードが一杯あって6回に膨れ上がってしまいました。

長い旅行記を読んで下さって、本当にありがとうございました!



それでは皆様、幸せな一日をお過ごし下さいね!


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by mimozacottage | 2018-01-08 08:14 | 赤毛のアン | Comments(12)

「赤毛のアン」の島5~アンとモンゴメリ


モンゴメリの従兄半(従兄弟の子 ”従兄弟違い”とも呼ばれる)ジョンさん*に別れを告げ、

ジョンさんの奥様、ジェニーさんが経営される本屋さん(ウエブサイト→モンゴメリの家)へ向かいます。

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手入れの行き届いた芝生と可愛らしい花が咲く庭、

爽やかな気分で散歩道を歩いて本屋さんに着きました。

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本屋さんの素朴な建物は、元はモンゴメリの祖父が経営していた郵便局でした。

祖父が亡くなった後、モンゴメリは祖母のアシスタントとしてここで働きました。


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この建物で本屋さんを経営するジェニーさんは毎日休まず、

訪問客に向けてモンゴメリの生涯について話をされています。(冬場は予約がいるそうです。)

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(ジェニー・マクネイルさん)



この箱はモンゴメリが働いていた当時のまま保存されている郵便箱で、

「赤毛のアン」をはじめ、初期のモンゴメリ作品の原稿は全部この中に投函されました。



「赤毛のアン」は出版されると同時に熱狂的に迎え入れられ、モンゴメリは一躍世界的な有名作家になりましたが、

出版に漕ぎつけるまでの道のりは厳しく、原稿は何度も出版社から送り返されたのです。



自尊心の強いモンゴメリがそれでも諦めず、原稿を送り続けたのは、

郵便箱の仕分けをする仕事が彼女自身であったため、村の誰にも知られることがなく、

出版社から返された原稿を受け取り、また別の出版社に送ることができたからだそうです。



上の写真は、ジェニーさんがちょうどその話を説明されている所です。


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(郵便箱の横のガラスケース: 人形のアンとダイアナがお茶をしている)




「赤毛のアン」の主人公アン・シャーリーは作者モンゴメリの分身だったと言われ、二人には多くの共通点があります。

幼くして親を失ったこと(モンゴメリの場合は1歳9か月で母を亡くし、父は幼い娘を祖父母に託す)、

色々な逆境を想像力で乗り越えようとしたこと、



アンが優秀な成績で学校を終えたように、モンゴメリも優秀な成績で学校を終え教師になりました。

アンが男性に人気があったように、モンゴメリにも幾つかのロマンスがありました。



厳しいながらも愛情深くアンを育てるマリラは、モンゴメリを育てた祖母がモデルだと言われていますが、

アンがマリラを大切にしたように、モンゴメリも祖母を大事にしました。

自分の結婚よりも彼女との生活を優先させて、祖母が亡くなるまで独身を通したのです。

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(ルーシー・モード・モンゴメリ:
Borrowed Image from Lucy Mode Montgomery Cavendish Home)



しかしながら…アンとモンゴメリの大きな違いは、その後の結婚生活です。

幼馴染のギルバートと結婚して幸せな家庭を築いたアンと違って、モンゴメリの結婚は幸せではありませんでした。



モンゴメリが35歳の時に結婚した夫、ユーアン・マクドナルド牧師には深刻な精神疾患がありました。

長時間虚ろな目で宙を見続ける彼は仕事や家庭の責任が果たせず、

モンゴメリの肩にすべてがかかった上、



彼女や子供の人格を否定する発言を繰り返したり、

薬局の投薬ミスをモンゴメリのせいだと思い込み、彼女を殴打する等DVもあったそうです。



鬱病の夫ユーアンの世話をしているうちにモンゴメリ自身も鬱病を患い、

睡眠薬や抗うつ剤を常用するようになりました。

1942年4月24日、モンゴメリは家族に許しを乞う手紙を書き残し、ベッドで亡くなっているのが発見されました。



駆けつけた2人の医者(うち1人はモンゴメリの3男スチュアート、もう1人は地元の医師)の所見によれば、

薬物過剰摂取による自死だったのですが、

遺族の心情を慮った地元医師が別の病名(冠状動脈血栓症)を診断書に書き、検視は行われなかったそうです。



出版社に印税を騙し取られて訴訟になったこと、二つの世界大戦や大恐慌、スペイン風邪の流行等、

モンゴメリの周辺には、心労になる原因が少なからずあったようですが、

一番の原因は、夫ユーアンとの不幸な結婚生活だったと言われています。



モンゴメリは人前で家庭の悩みを一切口にせず、いつも微笑みを絶やさなかったそうです。

自分の悩みを誰にも言えず、助けも求められず、

たった一人で悩んで、心労を深めていったようです。

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(世界中から集められたアンの本が展示されている棚)



私は長い間憧れ続けた作家のあまりに悲しい最期を聞き、

胸が押しつぶされそうでした。

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夫と私は、来る時とは全く違う重い足取りで本屋さんを出て、来た道を戻りました。

モンゴメリが愛した庭には、英語とフランス語でこんな言葉が書かれています。



「喜びをもたらしてくれる私の庭…私は花の中でダンスしているわ、一番愛らしい花が沢山咲いている中で。

私の一番の楽しみは朝、庭に出て、夜の間に蕾が開いた新しい花を見ることなのです。

ルーシー・モード・モンゴメリ」


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人一倍命を慈しみ、生きていることの喜びや美しさを世界中に伝えた作家が、

自らの手で命を絶つことになった皮肉、理不尽さ、やるせなさ…

重い心で私達はアンの家の前を通り過ぎ、宿泊先のロッジに帰りました。


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アンの島6(最終日)に続きます。


*アンの島4の中で、私に温かい言葉とハグを下さったジョン・マクネイルさんは昨春お亡くなりになり、
奥様のジェニーさんと息子のデビッドさんが住居跡を管理しておられるそうです。

*ジョンさんはモンゴメリの従弟さんではなく、ジョンさんのお父様とモンゴメリが従兄妹同士でした。
訂正してお詫びします。



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by mimozacottage | 2018-01-05 04:15 | 赤毛のアン

「赤毛のアン」の島4~お化けの森とモンゴメリの住居跡で出会った男性☆



アンの家の裏庭は「恋人たちの径*」と「お化けの森*」に繋がっていて、

(*どちらも「赤毛のアン」でアンが名付けた場所の呼び名)

「お化けの森」の向こうには、「赤毛のアン」の作者モンゴメリが住んでいた住居跡があります。


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(恋人たちの径)


肩を並べて歩く恋人たちの後姿が今にも見えてきそうな散歩道、

私はロマンチックな気分に浸りながら、夫と腕を組んで歩きたかったのですが、

いつも通り、一人でスタスタ先を歩く彼…ロマンチックも何もありません。



夫を追いかけ急ぎ足で歩いたとしたら…それはまさに、”亭主関白夫+惨めなおばさん” 💦

それではここの雰囲気ぶち壊しなので、私は優雅に(?)ゆっくり歩きました。

先を急ぐ旅じゃ無し…

夫くん、そんなに急いで何処へ行く?

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ここで夫は待っていて、二人で写真を撮り合いました。

それから「お化けの森」へ入ります。

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この森は「赤毛のアン」の中では、アンの家とダイアナの家の中間にあります。

何も起こらない平和な村に退屈したアンが、「本当はこの森にお化けがいる」という空想をどんどん膨らませます。

過剰な空想癖を心配したマリラは、アンを薄暗くなった森に使いに遣ります。


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アンが腰が抜けるほどに怖がった森…もっと不気味な所を想像していたのですが、

昼間だからでしょうか?明るく爽やかな散歩道です。


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ここは20年程前までは荒れ果てていて、

誰も足を踏み入れることができないような場所だったそうですが、



何十年振りかでこの地に戻って来たモンゴメリの従弟さん夫妻が、

「このままではカナダの貴重な文化遺産が失われてしまう。」と、

時間をかけて荒れ果てた森を整備され、今のような散歩道ができたそうです。


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ここは「赤毛のアン」で言えば、ダイアナの家がある場所ですが、モンゴメリの住居跡の敷地です。

モンゴメリは、ここから下方に広がる村を眺めるのが好きだったそうです。

残念ながら、彼女が住んだ家は現存していません。



1876年、1歳9か月で母親を失ったモンゴメリは母方の祖父母に引き取られ、

1911年、結婚してトロントに移住するまでの30数年間をここで過ごしました。


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(モンゴメリ住居跡記念碑)



モンゴメリの住居跡に向かって歩いていると、

可愛く細長い庭があって、その傍で「庭師さんかな?」と思われる男性が黙々と働いておられました。

「こんなところの庭で働けるなんて、なんてラッキーだろう~!」

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その男性に話しかけてみたい気もしましたが、お仕事の邪魔になってはいけないので、

「こんにちは!」と挨拶しただけで、通り過ぎました。



モンゴメリの住居跡(写真はありません)を訪ね、その帰りに井戸の写真を撮っていると、

先ほど庭で働いていた男性が私達の方へ近づいて来て、こう仰いました。

「こんにちは!あなた達はどこからいらっしゃったのですか?」

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夫が「アメリカのワシントン州です。」と答えた後、

続けて、「あなたはここの庭師さんですか?」と聞くと、



「私は庭でよく働いていますが、この屋敷のオーナーです。

ルーシー・モード・モンゴメリは私の従姉にあたります。」

と仰るので、ビックリしました。



その方の服装が、「ヨレヨレ」と言ったら失礼ですが、

夫と私が庭で仕事する時に着てるのと同じような服だったので、

こんな由緒あるお屋敷のご主人が、そんな恰好で畑を耕しておられるとは思わなかったのです。

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男性の名はジョン・マクネイル(John MacNeill)さんとおっしゃって、

グリーンゲーブルズのことや、「赤毛のアン」誕生の経緯について話をして下さいました。

まさかここで、モンゴメリの従弟の方に出会って、そんな貴重な話が伺えるとは!



感激したミモザは、

「私は今はアメリカに住んでいますが、日本で彼女の本を10冊以上読みました。

ここへ来るのが生涯の夢だったのです。ここへ来れて本当に嬉しいです。」と言いました。



するとジョンさんは、

「夢が叶ってよかったですね!あなたがここへ来て下さって、私も嬉しいですよ。」

と言いながら、優しくハグして下さったのです。

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(John Macneillさん)


「あっちの方に妻の本屋があるのですが、妻はそこで毎日、訪問客の方に向けて話をしています。

ルーシー(モンゴメリ)のいろんな話が聞けると思うので、

よかったら、そっちの方へも行ってみて下さいね。」



別れ際、右方向を指差しながら仰ったので、

私達はジョンさんに別れを告げ、ウキウキしながら本屋さんへ向かいました。

ところが、そこで聞いた話は…思いもよらぬ衝撃的なものでした。


「赤毛のアン」の島5に続きます。



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by mimozacottage | 2017-12-30 04:05 | 赤毛のアン | Comments(14)

「赤毛のアン」の島3~アンの家のポタジェガーデン


アンの家を見学した後、前庭に出て写真を撮りました。

4年前、実際に庭を見た時の感想は、

「あれ⁉地味な庭だな~!想像してたのと違ってガッカリ…」という感じでした。




美しい物が好きで夢見がちだったアンの庭は、

バラのアーチ、傍には白くて丸いアイアンのガーデンテーブルと椅子が置いてあり、

それを囲むようにパステルカラーの花が咲きみだれている…

そんなロマンチックな庭を勝手にイメージしていたので、期待は見事に裏切られました。


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(レタス、ミニトマト、マリーゴールド)

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(トウモロコシ)



アンの家の前庭は野菜中心で、それをしっかり取り囲むように、

黄色やオレンジ色のマリーゴールドが植えられていたのです。



この庭は、現実的で地に足が付き過ぎたマリラ(孤児だったアンを引き取った女性の名)が、

野菜を育てるためにだけデザインしたような、無駄のないキッチンガーデンでした。



しかも、それが前庭の正面にバーンと横たわっているので、

「ロマンチックな庭?ふふん、人間、食べなきゃ生きられないんだよ。

花なんぞ植えたって、何の役にも立ちゃしないんだからね!」



…私の期待を鼻で笑う、マリラの声が聞こえて来そうなほどでした。

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ビーツ(赤かぶ)

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この時、アンの家を見た感動の余韻がまだ残っていて、夢見心地だった私の目に、

この庭はあまりに実用的過ぎて、正直、失望の気持ちが強かったのですが…



その頃の私はポタジェガーデン(フランス式家庭菜園)というものを知らず、

「前庭には美しい花や木だけを植えるもの」という偏った庭作りの固定観念に囚われていたのです。



ポタジェのことを知り、菜園づくりに情熱を感じるようになった現在の私の目は、

当時とは全く違った角度で、庭の写真を見るようになりました。



何とうまく作ってあるポタジェガーデンだろう!



見るからに柔らかくて美味しそうなレタスや、スクスク伸びているトウモロコシ、

地面が見えないように、隙間を詰めて植えられている野菜を

コンパニオンプランツのマリーゴールドがしっかりと守っています。

流石、マリラだわ!!(笑



そして、この庭がポタジェの知識がある人によって作られた特別の庭なのか?

それとも、フランス系移民によるカナダ入植と同時にポタジェも入ってきて、

カナダでは沢山の人が同じような庭を作っているのか?



どうして菜園が前庭の正面にあるのか?等々

誰かに聞いてみたい質問がいっぱい出てきました。



当時ポタジェのことを知っていたら、もっと丁寧に庭を見て回り、

色んな写真を撮って、アンの家を管理している人達に質問することもできただろうに…と、

庭の写真を整理しながら、残念な気持ちで一杯になるのです。



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by mimozacottage | 2017-12-28 04:14 | 赤毛のアン | Comments(4)

「赤毛のアン」の島2~アンの家




プリンスエドワード島2日目、空は相変わらず曇っていたけれど、

私は朝から浮き立っていました。ついにアンの家を訪ねる日がやって来たのです。



ロッジからキャベンディッシュ(Cavendish)*に向かう車の中で、

「『赤毛のアン』に出て来る『輝く湖水』や『恋人たちの径』は何処かしら?」と

キョロキョロ、キョロキョロ、散々辺りを見回しましたが、全く見当がつきません。


(*Cavendish:アンの家がある所の地名。物語の中でモンゴメリは、
”アヴォンリー” というロマンチックな名前に置き換えています。)

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そうこうするうちに、

アン博物館(グリーンゲーブルズ・ビジターセンター)に到着しました。



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後でわかったのですが、「輝く湖水」はビジターセンターの北側にあります。

私は「アンの家に行くんだ~!」と舞い上がってしまって、下調べもしませんでしたが、

Googleの地図にちゃんと載っているので、調べて行くか、

もし個人旅行でなければ、ガイドさんに教えてもらえると思います。



さて、ビジターセンターの入口で入場券を買って、建物の中へ入っていくと、

最初に展示されていたのは、モンゴメリが「赤毛のアン」を執筆する時に使ったタイプライターと、

愛用していたティーカップ&ポットでした。

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「赤毛のアン」を生み出したタイプライター、

これを見て、作者のモンゴメリが初めてリアルな人間に感じられました。


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この方角から庭の中に入ります。


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家の中へ入る前に入場制限があったので、前庭で順番を待ちました。


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遠い昔、写真集で穴の開くほど眺めた家の前に実際に立つと…さすがに感慨深い気持ちでした。

玄関から家の中に入ると、最初に見えるのは大人の客を通すパーラー(客間)です。


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(パーラー)


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(ダイニングルーム)


アンが腹心の共ダイアナと一緒にお茶をした部屋です。

アンはラズベリージュースと間違えて、

マリラ秘蔵のすぐりワインをダイアナに振る舞い、酔っ払わせてしまいました。

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(パントリー)


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(台所)


空想力豊かで、気に入った物は何でも人間のように名前を付けて呼ぶアン、

窓辺に置かれたゼラニウムに、「ボニー」という名前を付けました。



マシューの部屋は1階にあるのですが、暗くて良い写真が撮れなかったので省略します。


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2階へ上がっていきます。


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(ゲストルーム)


アンが、「一晩でいいから、ここで休んでみたい。」と憧れ続けた客用のベッドルームです。

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(マリラの部屋)


部屋の中には入って行けないので写真は撮れませんでしたが、

箪笥の上には、アメジストのブローチが置いてあるそうです。


楽しみにしていたピクニックの日に、マリラからブローチ盗難の疑いをかけられたアン、

ピクニックに行きたいがために、問い詰めるマリラに嘘の自白をしてしまいます。

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(アンの部屋)


ドアに掛けてある茶色い洋服は、

クリスマスにマシューから贈られたパフスリーブ(膨らんだ袖)のドレスです。


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(家事室)


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1階の出口へ向かって階段を降りていく時、踊り場の窓から馬車が見えました。



ホテルで行われる発表会のために、アンとダイアナはアンの部屋でおめかしをし、

クラスメイトのジェーン・アンドリュースとそのお兄さん、ビリーが馬車で二人を迎えに来ます。

その時の馬車でしょうか?



「グリーン・ゲーブルズ」と呼ばれるこの建物は、作者モンゴメリの従兄の家でした。

今は歴史的建造物として、カナダ政府により保存されています。



アンは架空の人物ですが、作者のモンゴメリ自身を反映していると言われています。

しかし、モンゴメリが実際に住んでいたのはこの家ではなく、通りを隔てた所にある別の家でした。



幼い頃から何度もここに遊びに来ているうちに、想像力が掻き立てられ、

アンの物語創作に至ったそうです。

この建物は1997年火災に見舞われ、2階の一部は新しく建て替えられました。


次回③に続きます。



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by mimozacottage | 2017-12-25 04:17 | 赤毛のアン | Comments(4)

「赤毛のアン」の島1~プリンスエドワード島を目指すまで★



突然ですが、4年前にタイムスリップして、

長い間書きたいと思っていた旅行記、

カナダのプリンスエドワード島のことを4回(予定)に分けて書きます。



今まで通り、コテージでの日常も記事にしたいので、旅行記は飛び飛びになると思いますが、

赤毛のアンのファンの方や皆様に楽しんで頂けたら、嬉しいです。

もう4年も前のことなので、記憶が薄れている部分もあり間違いを書くかもしれません。

間違いに気づかれた方、ご指摘頂けましたら幸いです。

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(プリンスエドワード島:アン博物館)



「赤毛のアン」の島、プリンスエドワード島(Prince Edward Island:以下PEI島)を

訪ねたのは2013年9月のことですが、

モンゴメリ作「赤毛のアン」に最初に出会ったのは1980年代、当時私は子供2人の若い母親でした。




「赤毛のアン」にのめり込んで、村岡花子訳の「アン」シリーズを読んだ後、

日本語訳が出ていたモンゴメリ全作品を 手当たり次第に読んでいきました。




それから数年後、PEI島の写真集が出て、

どのページも穴が開くほど見入った後は、

部屋の隅に「アン」コーナーを作って、椅子の上に写真集を飾っていました。




その時は、将来自分がそこへ行くことになるとは夢にも思わず、

写真集をそばに置いて、PEI島に行った気持ちになるのが精一杯、

つましい生活だったけれど、子供に囲まれ幸せでした。




その後シングルマザーになり、

2005年に今の夫と再婚してから、私の人生はガラリと変わりましたが、

それでもPEIへ行くことは、夢というより見果てぬ夢、

あまりにも長い間、憧れだけで満足し、夢を現実にしようとは思わなかったのです。




1年後アメリカに移住してからも、夫とはPEI島のことを話したこともなく、

島のことは半ば忘れかけていました。




アメリカに移住して3年目のある日のこと、英語の勉強のために、

”Anne of Green Gables" (「赤毛のアン」の原作)を声に出して読んでいて、

ふと気が付くと、傍にいた夫がそっと涙をぬぐっていました。




袖の膨らんだ服に憧れ続けたアンが、マシューからのクリスマスプレゼントに、

袖がふんわり膨らんだ茶色のドレスを貰う場面です。




夫が「赤毛のアン」を始めから聞きたいと言うので、次の日からまた最初に戻り、

夏は木陰のベンチで、冬は暖炉や薪ストーブの傍で、

私が読む ”Anne of Green Gables" に耳を澄ませながら、夫は時々発音を直してくれました。

結局二人でその本を2回読み終え…彼はアンの大ファンになったのです。




再婚で人生はガラリと変わったものの、

”夢は叶わぬもの” という長年の諦め癖が抜けないのか?

それとも長い間の夢を 完全に断ち切られるのが怖かったからなのか?




それからも「PEI島に行きたい。」と口に出してみることもなく月日は過ぎて、

4年前の春、突然夫がこんなことを言いました。

「旅行先はいつも俺が決めてるから、今度はミモザの行きたいところへ行こうよ。

一番行きたいところは何処?南極でもいいよ。」




「一番行きたいところ?それは子供の傍よ。その次に行きたいところはプリンスエドワード島よ。」

(その年は息子が日本に就職した年で、あとの子供もアメリカ以外の国に住んでいました。)

子供の傍へ行きたかったのは本当ですが、PEI島は半ば冗談で言ってみました。




「プリンスエドワード島?いいね~!秋に行こうよ。」

突然、まるで冗談のように、長年の夢が叶うことになったのです。


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2013年9月3日、シアトル空港からデトロイト経由で、カナダのHalifax(ハリファックス)空港まで飛び、

ハリファックスからレンタカーでPEI島を目指しました。


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PEI島についてすぐ、シーフードの店でランチを取り、


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4泊予定のロッジへ着きました。
(その日は曇りだったので、この写真は別の日に撮りました。)



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(私達のロッジです。)



「赤毛のアン」の家がある「アン博物館」までは、ここから車で5分、

庭の向こうは海になっていました。


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(ロッジの庭から撮った写真:PEI島に着いて3日目)


部屋に荷物を運び入れると、私はすぐさまアンの家まで飛んで行きたかったのですが、

「アンの家へ行くのは明日にしようよ。」夫が言うので、その日はじっと我慢(;´・ω・)

近くを散歩して、夜はシーフードのお店でロブスターを食べました。

(その⓶に続きます。)

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(ロッジのキッチンとダイニングルーム:自炊ができました。)


それでは皆様、幸せな一日をお過ごし下さいね!


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by mimozacottage | 2017-12-21 04:30 | 赤毛のアン | Comments(6)